シゴノ、シゴト。
「弟が教えてくれたこと」
株式会社 都島葬祭 専務取締役 北田 瑞紀
私は、サラリーマンの父親・公務員のお母親の間に、
三人兄弟の長男として生を授かりました。
両親共働きだった私は、生粋のおじいちゃん・おばあちゃん子。
二人の弟たちは、私を父のように慕ってくれていました。
中学に入るとラグビーを始めました。
朝から晩まで日が暮れるまでラグビーに打ち込む日々。
しかし、ラグビーにのめり込むほどに親との関係はギクシャク。
この頃からだんだんとコミュニケーションも少なくなっていきました。
毎日その日その日を全力で過ごす日々―――
そんなときに迎えた弟の死。
僕を父親のように慕ってくれていた、7つ下の弟の若すぎる死。
普段、葬儀という仕事に携わっているのにも関わらず、
ショックで何もしてあげることのできない不甲斐ない自分がそこにいました。
弟の葬儀は、都島葬祭の仲間が執り行ってくれました。
初めて遺族側として立ち会った葬儀。
普段は一緒に働いている仲間なのに、
葬儀を執り行う間の何気ない言動の一つ一つが私たち遺族の心を苛みました。
心ない言葉、ご遺体をモノのように扱う雑な行動、笑い声…。
恥ずかしいことではありますが、私自身もお客様に対して同じだったのだと思います。
その時初めて、お客さまの心情を理解することができました。
ご遺族の立場に立った葬儀…。
それ以来、社内では徹底していることがあります。
それは葬儀に当たる際は、自分の家族と同じ様に、ご遺族に接すること。
そして自分の親・兄弟だと思って、仏様に接すること。
色んな方が、いろんな「ありがとう」を伝えることができるお葬式にすること。
弟が私に教えてくれたことは、今の都島葬祭の土台となりました。
もし弟の死がなければ、今の私、そして都島葬祭もありません。
弟は私に、いろんなことを教えてくれました。
弟はいまもどこかで、私を見守ってくれていると思います。
弟、本当にありがとう。